新人女優のシヨンは、映画撮影のために山奥にある廃墟へとやって来た。しかし、変わり者と評判の監督から演技指導はなく、奇怪なダンスを屋上で踊るだけというものだった。かつてない演出に不安に駆られるシヨンは、共演者のチェユンに愚痴をこぼす。さらに、ギリギリの予算で組まれた現場は殺伐としていた。トラブル続きの撮影が進む中、突如血まみれの女性スタッフが現れる。そして、呆然とするシヨンたちを一瞥すると、屋上から飛び降りてしまう。地面に叩きつけられた体はあらぬ方向に折り曲がり、即死したかに思えた。しかし、彼女は立ち上がり、駆け寄った別のスタッフに襲い掛かる。その様相は、まるで生ける屍のようだった―。
『新感染』シリーズ、『哭悲 THE SADNESS』、『呪詛』、『女神の継承』等のヒットで今最も注目を集めるアジア発のホラー作品。本作は、アジアホラーで評価されるあらゆる恐怖が融合し、予測不可能な展開が繰り広げられるハイブリッド・ホラーだ。
主演は、ドラマ「ヴィンチェンツォ」での好演で評価を高めたキム・ユネ。その他、「キム秘書はいったい、なぜ?」のソン・イジェ、『ジェントルマン』のパク・ジフン、ベテラン俳優のイ・サンア等が脇を固める。監督は、韓国のアカデミー賞とも称される大鐘賞に短編が招待される等、期待の新鋭ハン・ドンソク。世界三大ファンタスティック映画祭のひとつブリュッセル国際ファンタスティック映画祭では、韓国で大ヒットを記録した『破墓 パミョ』と共にコンペティション部門に選出。その他、シッチェス・カタロニア国際映画祭などに出品された。また、韓国公開時は初週第10位のスマッシュヒットを記録した。
*敬称略・順不同
“圧倒的なテンポ”と“予測不能な展開”に最初から最後まで魅了されっぱなしでした。近年の評価が高いアジア発ホラー映画の恐怖が見事に結集されています。主演のキム・ユネがとにかく素晴らしく目が釘付けになりました。心の底から絶対に見て欲しいホラー映画が今年の最後にして公開されます。間違いなく今年度No.1アジア発ホラー映画です。
永江二朗(映画監督『きさらぎ駅』他)
うごく屍、謎の呪術集団に襲われ冒頭から説明なしに物語は女優のシヨン目線で進む。
いつの間にか視聴者もシヨンの心情と共に映画の中に入り込んでいくが中盤から後半に掛け、期待したこちらの気持ちは見事に裏切られていく。
要所要所に入る残酷模写がとても綺麗で恐ろしく血まみれの女性が飛び降りる直前の目の動きが最高。
田中俊行(オカルトコレクター/怪談師)
罪は生み出すものなのか、それとも背負うものなのか。両者が激しくぶつかるとき、どちらの罪が生き残るのか?
牧野楠葉(小説家・詩人)
限定空間で繰り広げられるハードコアなサバイバル劇と、怨みと情念がドロドロと煮詰まった暗黒展開のダブルパンチで、観客を心身ともに徹底的に追い込む。あの衝撃のポスターに負けない気合の入ったホラーだった。
人間食べ食べカエル(人喰いツイッタラー)
ゾンビ?呪術?スプラッター?ジャンルを跨いだ展開に楽しく翻弄されるも、そのあと浮き彫りになるのは自らの偏見とエゴだった。
娯楽映画としての余白を残しながらも、恐ろしいまでに人間性を炙り出されるホラーだ。
野水伊織(映画感想屋声優)
血塗れ女が投身した瞬間から縦横無尽に解き放たれる”不吉”が、常識と理性を吹き飛ばして想像の遥か上に血肉を巻き散らす...連鎖する暴力が帰結する”ドス黒い真実”に驚愕...韓国産エグみ炸裂...
末廣末蔵(ジャンル映画大好きツイッタラー)
そんなのありか!? 『新感染 ファイナル・エクスプレス』のフォロワーかと思わせて超トリッキー。混乱から困惑、そして唖然の突然変異的ゾンビ映画…なのか?
ZOMBIE手帖(ゾンビ映画ウォッチャー)
映画の撮影は筋書きなしの恐怖に変わる。
美しいダンスシーンから血塗れバイオレンスへ雪崩れ込み阿鼻叫喚の惨劇がノンストップ!!
新機軸のゾンビ映画ながらも人間の業を炙り出す仕掛けは流石、韓国ホラー!!
ホラー映画取締役
人が罪を犯すのではなく、罪が人を侵すのだ。
氏家譲寿/ナマニク(文筆/映画評論家)
出演:キム・ユネ、ソン・イジェ、パク・ジフン、イ・サンア/
監督:ハン・ドンソク
2024年/韓国映画/韓国語/103分/シネスコ/5.1ch/字幕:福留友子/PG12
原題:씬/英題:The Sin/提供:ニューセレクト/配給:アルバトロス・フィルム
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